そばの粋な食べ方

そば屋の暖簾をくぐり店内に入ったらサッとメニューに目を通し「せいろ」と注文しましょう。「もり」とメニューに書いてある場合があるのでその場合は「もり」と注文してください。「ざる」というのは海苔がかかっているのですが、海苔の風味が蕎麦の風味に勝ってしまう事が多いようです。注文すると、通常の状態なら5分程度で「せいろ」が出てくるはずですから、出てきたら最初に盛ってある蕎麦の上の方を一口分つまんでつゆを付けないでそのまま口に含むのです。こうすることにより蕎麦の風味、甘みをダイレクトに感じることができます。ついでに薬味を入れる前に蕎麦つゆを口に含んで蕎麦つゆを楽しむ。出汁の具合、甘さ、醤油の香りを確かめる。これでその店の蕎麦のグレードがある程度わかるはずである。後は蕎麦とつゆのハーモニーを楽しむのであるが、あわてて薬味を入れてはいけません。薬味を入れずに蕎麦の下の方1/4程度をつゆに付け「ずずっ、ずずっ」と勢いよく吸い込むのです。ここでホンとの通になると噛まないで一気に喉の奥まで蕎麦を流し込んでしまうようですが、2,3回噛んで蕎麦の歯ごたえ、味を楽しむ方がお得なような気がします。半分程度食べた後、薬味を加えお好みの味につゆを調整した後に残りの蕎麦を頂いてしまいましょう。ちゃんと食べ終わったら、「せいろ」もう一枚を注文してください。お店のご主人はドキッとするはずです。なにしろ「せいろ」は種物と違ってごまかしがきかないので蕎麦の善し悪し、つゆの善し悪しがわかりやすいからです。ご主人も蕎麦を茹でるときに「味にうるさそうなお客さんだな〜」なんて思いながら蕎麦を茹でている顔が目に浮かぶようです。お店のご主人も腕の見せ所であることは間違いのないところですね。1枚目より2枚目の方がきっちり茹でられたおいしい蕎麦が出てくる可能性は高いと思います。また、せいろを2枚注文すると言うことは1枚目がおいしかったということなのでご主人も嬉しいでしょうね。2枚目はお好みで薬味を入れて頂いてしまいましょうね。もしかしたら、陰からお客さんの顔を覗いているかもしれません。2枚目の代わりに「蕎麦がき」を注文しても良いでしょう。どちらにしてもごまかしの利きづらいシンプルな物を注文するのがポイントです。